40代で早期退職した市役所の「元・中の人」がお届けします

40代で早期退職した市役所の「元・中の人」がお届けします

辞めてわかった!17年間勤めた地方公務員のリアルとその後

本当は怖い!お役所の考えるキャッチコピー!

どうも、元・中の人です。
今回は、仕事編のなかでも、そういえばそんなのあったな的なビミョーな存在感の自治体キャッチコピーについて、取り上げてみたいと思います。


とりあえず流行ってるみたいだから作ってみた

お察しのいい方ならお気づきでしょうが、かつて自治体キャッチコピーなんてものは、一部の観光地を除けばほとんど見かけませんでした。それがね、2、30年くらい前に、全国の自治体でブームになったみたいでして、「空と光輝く、幸せタウン○○市」みたいな、やっつけ感がハンパないキャッチコピーが大量発生したんですね。皆さんのお住みの自治体にもきっとあるはずですよ。
f:id:panzerfrontbl:20171216191653j:plain
ま、本来的には、有名な「うどん県・香川」のように、インパクトを出してシティプロモーションの一環として用いるのが王道なんでしょうけど、前述の例のように、なんか、これってなんの目的があるの?的な感じの、記憶にも印象にもなーんも残らないような駄キャッチコピーが横行してるんですよね。
ITMediaで「自治体のキャッチコピーは、なぜメルヘン化してしまうのか」という記事www.itmedia.co.jp
がありましたが、うーん、元・中の人としても、実に的を得た記事です。センスのないお役人が知恵を絞っても、刺さるキャッチコピーなんて到底生まれないんですよね。

キャッチコピーができるまで

基本的に、自治体キャッチコピーが出来上がるルートは以下の4パターンです。

  1. 住民公募などによって決定するパターン。優秀賞のいくつかの言葉を組み合わせてくと、だいたいは当たり障りのない平和なキャッチコピーが出来上がる。「住民みんなで作りました」的な、お役所自己満足に陶酔しがち。駄洒落系も多い。
  2. 指示を受けた役場の職員が、なんとなく作ってみたら、そのまま採用されてしまったパターン。構想10分、(仮称)のつもりが気づいたら一人歩きしていた的なやつ。
  3. 首長の指示で、「○○と○△、■△というフレーズは入れてよね」的なわがままを実現させちゃたパターン。収集つかなくなっちゃって、そのまま無理やり全部盛りにしちゃったみたいなやつ。どうかしてる系や長すぎだろ!みたいなのもたまーに見かける。
  4. 広告代理店やコンサルに丸投げして決まるパターン。いろんな意味で役所らしくない、刺さるキャッチコピーが多いが、とにかく金はかかってる・・・。

インパクトのあるコピーにするのも大変

前述のITMediaの記事にも紹介されていた「母になるなら流山市」という、お役所らしからぬ大胆なコピーを打ち出した流山市ですが、実際に子育て世代が大量に転入してきているそうですから、大成功といえるでしょうね。ただ、「『子育て=母親がするもの』という固定観念を連想させる!男女共同の観点から問題だ!」なんて声もあったりして、お役所が刺さるキャッチコピーを作るのもいろいろ大変なんだなぁと、改めて考えさせられますね。

最近は自虐的なキャッチコピーもいくつか目をひきますが、ただでさえ保守的で大胆な行動が苦手なお役所ですから、これも採用するには結構な勇気いる決断だったんでしょうねぇ。
f:id:panzerfrontbl:20171216191822j:plain
「これはあまりに自虐すぎだろ。市民からの苦情は必至だぞ!」、「ですが市長、むしろそれぐらいのインパクトがないと!」、「せめてこの部分はこうすればどうだ?」、「それでは単なる駄洒落です。隣の市のパクリと言われかねません!」みたいなやり取りが散々あって、おそるおそるそろーっと発表してみた!って感じでしょうか。(いやーすごいなぁー。私の勤めてたところでは、絶対OKでないだろうなぁ)

駄キャッチコピーは存在自体が毒

まあ、それでもポジティブであろうとネガティブであろうと、話題になるというのはそれだけで成功なんでしょうね。全国のおよそ95%(注:適当です。)の自治体のキャッチコピーは、「空と光輝く、幸せタウン○○市」みたいな、なーんの話題にもならない、なーんの毒にもならない人畜無害な駄キャッチコピーがほとんどですが、実は存在自体が毒だったりします。

もはやなんのプロモーション性を持たない駄キャッチコピーでも、一度採用されてしまうと、ホームページから広報誌から公共サインから街中の看板から役所の封筒から職員の名刺にまで、ありとあらゆるところに長年に渡って使われ続け、地元では中途半端に浸透しているがゆえに、それを変えるのは結構大変という、実に罪深い所業なんですねぇ。