40代で早期退職した市役所の「元・中の人」がお届けします

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辞めてわかった!17年間勤めた地方公務員のリアルとその後

首長ってどうなのよ?

どうも、元・中の人です。
今回は、地方公務員の中でも特別職、その中でも首長(市長や町長、村長)の生態に迫ってみたいと思います。

高給だけど、もれなく激務

さて、市長や町長、村長のことを、一般的には首長(くびちょう)といいますが、この方たちはもれなく高給(正確には給料じゃなくて報酬)です。ですが、それに見合うだけの仕事量かというと、答えはNoですね。私のいたところは、市長の報酬と県議会議員の報酬がほぼ同じでした。どちらも同じように選挙によって選出される公人ですが、県議会議員のほうがはるかに楽で責任も軽い仕事だと思いますね。
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自治体の規模等にもよりますが、首長はほぼ365日、1日通して休める日って、ないんじゃないでしょうかね。さまざまな会議に出張に打ち合わせに決裁に、挨拶回りやイベント出席にと、「まぁ、よく倒れないなぁ」と思いましたね。(ちなみに報酬は固定制なので、残業手当とか休日手当みたいな概念はそもそもないです)

挨拶回りとかイベント出席とかは、「嫌ならでなきゃいいじゃん」というレベルのものも結構多いのですが、なかなか断れないのが難しいところなんですね。絶対的に次の選挙で勝てる地盤がある方や、食べる分には困らないので次落選しても構わないって方なら、違うでしょうけど、今の全国の首長さんの多くはサラリーマン首長ですから、どうしても次の選挙の事を考えてしまうと、そういったところを疎かにできないんでしょうね。

「長年、市議会議員をやってきたから、次はステップアップで市長に立候補だ!」なんて、うかつで能天気な議員って必ず一人はいるもんだけど、全然仕事の内容も、責任も、激務っぷりも違うと思うなぁ。役場の職員以上に恨まれたり憎まれたりも当然日常茶飯事でしょうから、好きじゃなきゃやってられない仕事の代表みたいなものでしょうかね。

やるって言っちゃったもん

首長さんって、実は結構な権限を持っているんですね。例えば予算ひとつとっても、反首長派が与党を占めるようなよほどのネジレ議会でもない限り、首長判断のもとに財政部局が作成した予算がほぼそのまま可決されるんです。私の勤めてたところは、自治体成立以来、過去の一度も予算が否決されたことはありませんでした。
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そんな首長さんが、圧倒的によく使う手は「やるって言っちゃったもん」ですね。地元の有権者の前で「○○対策をやります」、市議会で「○○施設を建てます」、広報誌で「○○始めます」・・・そのたびに財政担当課長が苦悶して呻いていたのを思い出しますねぇ。まあ、それだけ権限が強いということは、責任も重いということの裏返しなんでしょうけど、首長さんの言動ひとつに職員が右往左往して混乱させられるってのは、どこの自治体も一緒ですかね。

首長が変わると・・・意外と変わる

全国1700あまりの自治体があると、当然ですけど、個性的な首長さんもいますねぇ。カリスマ系やトンデモ系、パワハラ系、セクハラ系等々・・・まあ、どんな首長さんであっても、基本的に法律によって決まっている部分はあるわけですから、役所の大半の仕事はそれまで通り粛々と継続されていくわけです。

ですが、前首長の政策に反対する首長が就任すると、例えば合併が破断になったり、大型開発が中止になったり、あるいはその逆もしかりで、結構大きく変わるところもあるんです。私は17年間で首長の交代は3度経験があり、当初民間で社長が変わるほどの変化はないだろうと思っていましたが、いろんな意味で予想を裏切られましたね。とあるプロジェクト部署にいた同僚は、「まるで登ったハシゴを下から外された気分だ」と嘆いてました。
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まあ、そこまで大がかりでなくても、新しい首長って、どういうわけか「前首長色を自分色に染めなおしたい」というのが世の常のようで、目的らしい目的もなく組織改編してみたり、部署名を変えてみたり、突然朝礼を始めてみたりと、受け入れる側の職員は結構振り回されてましたね。