40代で早期退職した市役所の「元・中の人」がお届けします

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辞めてわかった!17年間勤めた地方公務員のリアルとその後

ふるさと納税の功罪

どうも、元・中の人です。
今回は、今やすっかり返礼品目当ての争奪戦として定着した感のあるふるさと納税について取り上げてみたいと思います。


うちもやらないと持っていかれる!

ふるさと納税が始まった2008年、はっきりいってこの制度、まったく流行ってなかったんです。返礼品目当てで大人気となったのはそれから4~5年くらいたったころではないでしょうかね。当時は返礼品もほとんどの自治体は出しておらず、あったとしてもオリジナルストラップとか、マグカップとか、文字通り「粗品」程度だったんです。私の勤めてたところは、まったく返礼品はなく、お礼状のみでしたね。

ところが、いくつかの自治体が豪華な返礼品を用意(一般的には寄付額の4割程度と言われている)しはじめ、それがテレビや雑誌で取り上げられると、次第にそちらに寄付が集中し始め、翌年には自分の自治体の税収が減り始めるんですね。それで、「うちも返礼品をやらないと、他に持ってかれるぞ!」と危機感を感じて、対抗措置的にやり始めるんです。
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結果的に全国の自治体が共食いをし合うという、まあ、なんというか、お国が制度を打ち出した当初の本来の趣旨からはだいぶ脱線した制度となってしまったんですね。

もちろん、豪華な返礼品だけではなく、手続きの簡略化というのも一因にはあるでしょうね。それまでは各自治体にそれぞれ申請書を出したりして、銀行振り込みだけしか対応してなかったりして、手続きが面倒だったんです。ところが、ふるさと納税ポータルサイトやクレジットカード払いなどが普及したことによって、手続きが劇的に簡単になったことも、爆発的に人気が出た理由でしょうね。

人件費まで含んだトータルだと・・・?

2017年9月の週刊朝日の報道だと、全国1700強の自治体のうち、得している自治体は1279で、損している自治体は462となっていますが、これは、単純にふるさと納税による税額のINとOUTだけを比較してるので、返礼品にかかる各種経費や、寄付受け入れやワンストップ制度にかかる役場の人件費、ポータルサイトへの手数料などの計算を考慮すると、実は結構な自治体が赤字なんじゃないんでしょうかねぇ。
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私の勤めてたところは地方の弱小都市でしたけど、やっぱり毎年ほとんど赤字で、良くて痛み分けのチキンレースだったですね。

まあ、ただ、それでも地場産業の活性化や雇用の創出という点では、地方に一定の効果があるのも事実でしょうし、それによってPRになったり、その自治体に興味をもつきっかけにしてくれたりとか、被災地への義捐金になるといった側面もあるんでしょうから、手放しでダメだともいえないんでしょうけど。それに、都市部の自治体はそれまでの自分たちの置かれた恵まれた環境に対して胡坐をかいてきたところがあるでしょうからね。

自分の自治体住民だと役所は大損

ちなみにお役所的には、自分のところの住民から自分の自治体にふるさと納税されると、税額にもよるんですけど、一般的には返礼品にかかる経費+人件費+ポータルサイトへの手数料相当の分だけ損になるんですね(もちろん確定申告しない人とか、控除限度額を超える額をドドーンと寄付する場合とかならいいんですけど、まあ、その場合は住民の方が大損します)。結構、良かれと思って自分の自治体にせっせと寄付してくれる人って多いんですけどね。

だからでしょうけど、私の勤めてたところでは、市外在住の職員に対しては「ふるさと納税してしてアピール」とか、地元在住の職員には「市外の家族や親戚に声かけて」とか、結構そういった、身内向けのいい迷惑な勧誘がハンパなかったですね。